職員室の声

平成31年度 始業式(原口)

2019-04-05

 いよいよ今日から,新年度が始まります。校庭の草木に生命の息吹を感じる春を迎えて,皆さんはそれぞれに,この1年に大きな期待と決意をもって,新学期に臨もうとしていると思います。この気持ちを,いつまでも大切にしてほしいと思います。今年度は,5月1日から,新元号「令和」となります。「令和元年」です。平成の30年間が終わり,新しい時代の夜明けということになります。

 

 「令和」は,「万葉集」の「初春の令月にして,気淑く風和ぎ,梅は鏡前の粉を披き,蘭は珮後の香を薫らす」から採用されたものです。悠久の歴史と薫り高き文化,四季折々の美しい自然,こうした日本の国柄を,しっかりと次の時代へと引き継いでいきたい。厳しい寒さの後に春の訪れを告げ,見事に咲き誇る梅の花のように,一人ひとりの日本人が,明日への希望とともに,それぞれの花を大きく咲かせることができる時代になってほしい。そういった願いを込めて決まったようです。

 

 今,校庭の桜がきれいですが「年年歳歳花あい似たり 歳歳年年人同じからず」という言葉があります。「毎年美しい花は同じように咲くが,この花を見る人々は毎年変わっているのだ」という意味です。 新学期という学校特有の季節に,読みかえると,学校という場所は,変わってはいない。しかし,毎年春になると,生徒は進級または卒業し,先生もまた替わる。

 

 例えば,生徒のAさんも,昨年と今年と同じ生徒ですが,昨年までとは違う・違っているはずである。それぞれが成長しているはずである。学校の春というのは,実に新鮮な,新たな出会い直しのような季節であると思います。皆さんも進級し,周囲を見回して見ると同じような気持ちになってくるのではないかと思います。4月は非常に清新な気持ちになるものです。お互いに新たな気持ちで元気にスタートできることを喜びたいと思います。

 

 今年度は,鹿児島でインターハイもありますし,来年度は鹿児島で国体,東京ではオリンピック・パラリンピックもあります。本校でも様々な行事がありますが,皆さんの勉強に,行事や部活動に一生懸命に取り組む姿を見たいと思います。

 

 さて,高校3年生は集大成の年であります。自分をよく見つめ,進路実現を目指して,全力で取り組んでください。とにかくこの1年は早く過ぎていくと思います。有終の美を飾るべく最終学年を頑張ってください。

 

 また,いずれの学年にもいえますが,1学期を制する者は1年を制する,といいます。この1学期をどのように過ごすかで年度の終わりに結果が大きく違ってきます。最後に感動を味わうために,4月の今から汗をかいてください。皆さんが,この1年間,充実して学校生活を送ることを期待しています。

 

 本校の建学の精神は,皆さんよく知っているように,「個性の伸展による人生練磨」です。 様々な教育活動に取り組む中で,知・徳・体のバランスのとれた人格形成に努め,進路実現を図り,これからの国際社会に貢献できる人を目指します。 そこで,私から,皆さんに3点確認し,お願いしておきます。

 

 第1は,「自ら求めて学ぶ態度を身に付けてほしい」ということです。真の実力というのは,自ら求めた徹底的に学ぶ態度から生まれるものです。自主学習を大切にしてほしいのです。自分の頭で思考・錬磨することを大切にし,より深く学ぶ姿勢を身に付けることを望んでいます。様々な問題にぶつかったときにその答えを導く能力こそが,真の実力です。

 

 哲学者で,教育者でもあった「森信三」氏の言葉に, 「人生,出会うべき人には必ず出会う。しかも,一瞬遅からず,早からず。しかし,内に求める心なくば,眼前にその人ありといえども縁は生じず。」とあります。自分から進んで求める心がなければ,目の前に出会うべき人がいても,関りは生まれません。自分の人生を決めるような,生涯の師と呼べるような人と,人は,必ず逢えるが,自分から進んで探す心が大切だと言っています。求める気持ちを大切にしていきましょう。

 

 次に,第2は,「高い目標に立ち向かう勇気をもってほしい」ということです。本校は,自ら進んで学び,それぞれの夢を実現させるところです。目標をより高く設定し,それに向かって果敢に挑戦してほしいのです。大切なことは挑戦し,努力し続ける姿勢です。そのために,日常の授業を大切にしてほしいということです。孟子の言葉に「道は近きにあり,しかるにこれを遠きに求む」とあります。これは「人間の踏むべき『道』は,どこか高遠なところにあるように見えて,実は日常の身近なところにある」という意味です。日々の授業を充実させてほしいのです。日々の積み重ねが大切です。何を学ぶのか。一つでもテーマをもって授業に臨んでほしい。それが主体的な学習につながり,思考力・判断力にもつながるものです。そしてわからないところを友人同士で教え合うことも効果があります。何が分かって何が分からないのかはっきりしてきます。また教えることで自分の知識を確かなものにでき,表現力にもつながります。「一技千回」という言葉がありますが,一つの技を身に付けるのに千回必要だという言い方をする場合もありますが,本当は千回やって始めてスタートラインに立てるのだという意味だと言われます。千回繰り返せば,やっと人前で見せられる一歩を踏めるということです。高いレベルを目指すにはそれくらいの覚悟が必要です。

 

 第3は,「正しい規範意識を持ってほしい」ということです。中学校や高校時代は大人へ成長する大切な時期です。社会に自立する存在としてのマナー・態度をしっかり身に付けなければならない。まずは「元気でさわやかなあいさつ」,「心を込めた清掃」を実践してほしい。そういうことのできる人の姿は美しいものです。外部の施設などを利用する際も同じです。学内だけでなく学校外でも行動できる人になってほしいと思います。スマートフォンの使用についても人権意識やマナー,使用時間など自己管理できるようになってください。  ややもすると,豊かな才能の持ち主の友人たちと接して,自信が揺らぐことがあるかもしれません。 しかし皆さん一人一人が自分のよさを自覚して,それぞれの才能を開花させてほしいと思います。皆さんには,今しかもてない,新鮮で柔軟な心があります。  毎日の授業や部活動,学校行事に積極的に参加し,爽やかで感動に満ちた日々を送ってほしい。そして,友と切磋琢磨し,友情を育んでほしいと思います。

 

 明日から新1年生が入ってきます。先輩として後輩たちをよき方向に導いてください。そして皆さんが,この1年間,充実した学校生活を送ることを期待しまして,式辞とします。                                   

 

 

(副校長 原口 和哉)